以前スーパーのセルフ支払い機を逆両替に利用し
トラブルが多発していることを紹介しましたが、
逆両替についてニーズはありそうとは思ったものの
集客のツールにする発想はありませんでした。
日経クロストレンドの記事から
スーパーチェーン「イズミ」が「逆両替機」を
集客ツールにしている事例をご紹介。
目次
■逆両替の背景
今年から郵便局や銀行で“自分の口座”に
硬貨で入金する場合、数量に応じて
手数料を取られるようになりました。
預け入れなのに手数料取られるの?
https://seiri-tsutaeru.com/mailmagazine/674/
そこで硬貨を紙幣に交換する手法として
以前の投稿で紹介していたように
少額の商品を購入しセルフレジに硬貨を
大量投入し紙幣に両替する「逆両替」が行われ、
様々なトラブルが発生していました。
■1日平均10件の利用
そこで登場したのが逆両替機。
利用者が硬貨を投入すると自動で枚数と金額を計算し
手数料を差し引いた額を提示。
設置されている店舗の商品・サービスの購入や
紙幣などとの交換に使える「引換券」が発行される仕組みです。
・・・でも手数料分金額が引かれるので
誰も利用しないのでは・・・と思うのは
昭和な人間なのでしょう。
スーパーマーケットチェーンのイズミは、
2021年12月に開業した大型複合商業施設
「LECT(レクト)」に逆両替機を設置。
マシンから出てきた引換券をサービスカウンターで
紙幣と交換するようにしたところ
開業後約半年が経過した現在でも
1日平均10件の利用があるそうです。
確かに、郵便局や銀行で硬貨を紙幣にするには、
一度口座に入金して再度引き出す必要があって
手間がかかる。
セルフレジで逆両替だと先に買い物が必要だし
故障するトラブルもある。
その点逆両替機だと利用者としては、
手数料はかかるけれど
硬貨を紙幣にすることが本来の業務内容なので
周りを全く気にする必要なし。
店舗にすれば、紙幣に両替した金額の
いくらかは商品購入につながるでしょうし、
メーカーから設置料金ももらえるので
リスクの少ない取り組みとなりますね。
■両替がイベントに
イズミの場合だた逆両替機の設置は、
競合他社との差別化に繋がりますが、
それ以上に興味深かったのが
「集客イベント」になっているということ。
担当者の言葉を抜粋すると
「子連れの家族にとっては、
硬貨を投入し金額が表示され、
引換券が出るところまでがイベント。子どもと一緒になって硬貨を投入し、
『楽しかった』とお礼を言ってくれる顧客が
何人もいる。
とのこと。
運用してみて分かったことかもしれませんが、
逆両替が家族連れのイベントになるとは、
思いつきませんでした。
これは面白い。
ユーザーが遊び方を開発する事例ですね。
■「逆転」と「転用」の発想
硬貨の逆両替機設置を
オズボーンのチェックリストに当てはめてみると
硬貨から紙幣へ逆両替する「逆転」と
両替作業をイベントにする「転用」となりますね。
↓オズボーンのチェックリスト↓
https://seiri-tsutaeru.com/knowledge/
(有馬)
出典:日経クロストレンド
硬貨を紙幣に両替する“逆”両替機「コインスター」は普及するか?
https://xtrend.nikkei.com/atcl/contents/18/00673/00004/