評価はその時と場合で変わるものだなと、つくづく思いました。
目次
<今日は企画コンペの思い出話です>
今朝スマートフォンのニュースアプリを眺めていたら
私の地元熊本県と関わりのある
「くまモン」と「クレヨンしんちゃん」の記事が
紹介されていました。
●消えた「せんとくん」と生き残る「くまモン」の違い、
熊本県は何を仕掛けたか?
https://www.sbbit.jp/article/cont1/91480
●『クレヨンしんちゃん』ゆかりの埼玉県・秋田県・熊本県が
「家族都市」協定
https://www.oricon.co.jp/news/2242825/full/
■最初は採用されなかった「吉本新喜劇」
“消えた「せんとくん」と生き残る「くまモン」の違い、
熊本県は何を仕掛けたか?”の記事で
「くまモンの成功要因」の事例として紹介されていた
熊本県知事が「吉本新喜劇」の舞台への登場ですが
企画提案の段階で私が関わっていました。
とはいえ、この吉本新喜劇企画、
すんなり採用されたわけではありません。
熊本県庁の企画コンペで一度不採用になり、
諦めきれずに別部署での企画コンペで再度提案し
やっと採用になりました。
当初は熊本県の「広報」としては適していないと
思われたのでしょうね。
二回目の提案は熊本県の「観光PR」企画
として採用されましたので。
二回とも提案内容は同じで、
県知事が吉本新喜劇の舞台に上がり
くまモンと一緒に熊本県をPR。
その様子が吉本新喜劇が放送されている
全国のテレビ局に番組として放送される。
という企画内容だったのですが、
「広報」ではダメで「観光PR」ならOK。
同じ内容でも扱う部署、目的で
評価が変わることを実感した案件でした。
■全否定された「クレヨンしんちゃん」
“『クレヨンしんちゃん』ゆかりの埼玉県・秋田県・熊本県が
「家族都市」協定”の記事についてですが、
「クレヨンしんちゃん」が関係各県で愛されていて
良かったなーと素直に思いました。
実は「クレヨンしんちゃん」をPRに活用する企画は、
私が関わった熊本県への企画コンペで不採用に
なっていました。
まぁ、単に私の力量不足だったのでしょうが、
企画のプレゼン時の評価は散々でした。
漫画クレヨンしんちゃんの設定で
しんちゃんの母親が熊本県の仮想市
「アソ市」の出身となっていたので、
市町村合併で誕生した「阿蘇市」を
=「アソ市」としてクレヨンしんちゃん家族を
通して全国に「阿蘇地域のPR」という
内容でした。
ところがプレゼンの質疑応答時に
審査員で一番偉そうな人が
「お尻をだしてはしゃぐようなキャラクターを
熊本県のPRに使うなど考えられない!」
と息巻いて
その他の審査員はシーン‥となってしまい、
まともな質疑応答にはなれず終了、
当然企画は不採用となりました。
その翌年かな‥別の大手代理店が
クレヨンしんちゃんファミリーを活用した
熊本県のPRを実施することになった
と聞いた時には、
やはり自分の力量不足だったのかと
やるせなくなったものです。
熊本県としては、
それからの「クレヨンしんちゃん」との関係で
今回の記事なっていた「家族都市」協定に
繋がってきたのでしょうね。
前述の「吉本新喜劇」の提案同様、
同じ内容でも扱う部署、目的で
評価が変わることを実感した案件でした。
■さいごに
実績がない提案をする場合には、
必ず反対されるもの、
たとえ企画プロポーザルの仕様書に
「斬新な企画」と書かれていてもです。
時と場所をわきまえるとは、
よく言ったもので
時:時代背景、採点者の許容範囲
場所:採用する部署と達成目標
を把握しなければ、
話題性があり面白くなりそうなプランも
採用されることはありませんね。
定年となり企画コンペの最前線から
身を引くことになりましたが
「時と場所をわきまえる」ことを
これからも企画を実現につなげる
いい大人の条件として
肝に銘じていきたいと思います。
(有馬)
■つぶやき
「吉本新喜劇」のプランが不採用になった時、
私が「それなら鹿児島県に提案に行く!」と
息巻いていたら、上司から
「次の提案機会が必ずあるから待て」と
諌められました。
あの頃の上司の年令になって思います。
あの時は「まだ若かった」なー
あの時の上司の対応を今の自分にできるかなー
などと。
「クレヨンしんちゃん」の提案については、
私としては実現できませんでしたが、
その時に知った「特別住民票」の知識は、
後日、熊本市への「ケロロ軍曹」タイアップ
企画を提案する際に役立ちました。
「筋肉は裏切らない」というフレーズを目にしますが
身につけた「知識と発想」も必ず役に立つのだなと
今日のスマートフォンのニュースアプリを観ていて
思いました。
(有馬)