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思考をクリアに! 整理と伝える
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ご覧の 皆 様
おはようございます。有馬です。
【 今日のなるほど! 】
2016年と漫画アプリの後発ながら2021年
並み居るライバルを抑えトップになったのが
「ピッコマ」。
先日(11月16日)のこのメールマガジン
「商品反省会<その1>1〜10位」でも
紹介しました。
https://my198p.com/l/m/7CkMCKFyhUitrl
販売金額で見ると2020年は376億円、さらに2021年は
上半期だけで314億円と絶好調。
これがどれだけ凄いかというと2021年第1四半期で、
ゲームを除いたアプリ市場で販売金額が世界7位。
ティックトックやユーチューブなどの
国際的なアプリに匹敵する水準なのです。
<ヒットの秘密:仕組み>
ヒットを生んだ主な仕組みは以下の3点があります
●スマトーン(ウェブトゥーン)
韓国発の新しい漫画形式で、フルカラー、
縦スクロールとウェブ上で公開すること=
スマホやタブレット、パソコンなどで読まれることを
前提として作られています
●話売り(1話ごとの販売)
これまでの漫画の販売形態は、
定期発行雑誌 > 単行本 > WEB媒体
だったものを単行本の単位1冊ではなく雑誌の単位
1話ずつ公開
●待てば0円
待つことで期間として囲い込む他に
1作品1話という雑誌スタイルのため
雑誌のように他の話も合わせて読みたくなる
抱き合わせで他の作品を読むきっかけけになる
<根本はユーザー視点>
ピッコマの一番の特徴は「広告がないこと」。
1話無料券や時間短縮のアイテムを入手するような
イベントに参加する以外には広告が配信されない。
それは、ユーザーにとって広告は邪魔だから。
広告での儲けを捨ててでも、
ユーザーにとって何がいいかを選んできたことに
成長の足場があったのですね。
<ユーザーは他のカルチャーから連れてくる>
漫画アプリという同じ業界内で顧客を奪い合っても
全体の市場は同じまま。
だがピッコマは紙媒体や同じ漫画アプリの
顧客を奪うことを考えていないという。
では驚異の成長を遂げているピッコマは、
どこからユーザーを獲得してきたのか。
それはユーチューブやネットフリックス、ゲームなど。
あくまでも外側と競争すべきとして業界の中ではなく、
あえて既存の漫画愛好家以外にターゲットを絞り
他のカルチャーコンテンツからのユーザー獲得を狙い
ユーチューブを中心にCMを積極的に展開しました。
<資金は作家育成に>
2021年6月に600億円を資金調達していますが
その資金の使い先として作家育成を上げています。
漫画作家の中にはすごく売れる人もいるが、
まったく売れていない作品もある。
ピッコマはぜ作品が今こうなっているのか、
こんな傾向があって、こう変化した、といった情報を
作家に提供することを考えているそうです。
売れていない層が増えると、作家になりたいという
人が少なくなるかもしれないという心配から、
情報を共有することで中間層を厚くすることを
図りたいて欲しいと思っているそうです。
短期よりも中長期的な視点で作家を育成する
ために資金的な余裕が必要だったのですね。
<まとめ>
後発企業として出発しながら、
数々の仕掛けとユーザー視点で
他のカルチャーからユーザーを獲得しトップに。
さらには、次の人気作家、作品育成のために
大規模に予算を獲得。
マーケティングの事例としても、
一人のユーザーとしても
これからの発展を楽しみにしています。
(有馬)
出典:
●「ピッコマ」が競合をごぼう抜き
縦読み漫画アプリの定番に
/日経クロストレンド
https://my198p.com/l/m/kxFzwTeQEhDDcM
●漫画アプリ・ピッコマが目指す「紙とWEBの共存」
/週刊東洋経済Plus
https://my198p.com/l/m/RVbNfA5OZzYgyf